新倉章子個展「無伴奏」 2021年1月9日(土)〜1月29日(金)

無伴奏


あけましておめでとうございます。
本年も宜しくお願い申し上げます。
2021年も素晴らしい作家さまの展覧会を開催してまいります。
本年一回目は、新倉章子さんの個展で幕開けです。

✳︎

草はただ風に揺れ、花はただそこに咲く
新倉さんの描く草花たちは、徹底してそこに「ただ在る」を貫いている印象があります。植物を見た時に人がよく言いたがる「綺麗」や「力強い」といった類の言い回しとそこに付随する意味づけをことごとく削いで、「ただ在る」ことの無意味さ、そしてそのことの難しさと尊さを見事に描き出し、そこからしか生まれない「美」がそこにはある、そんな気がします。

当たり前ですが枯れない草花はありません。しかし人は自分が一番美しいと思う植物の一瞬の姿を現実の時間軸から切り抜き、その瞬間だけをまるで冷凍保存するかのように描きとめたり写真で撮ることができます。しかし新倉さんの描いた植物はどこかそういうよくある植物絵とは違うと思うのです。植物の美しい瞬間を描きとめるという点では先述と同じなのですが、新倉さんの絵の中の植物は現実の時間軸をそのまま持っている気がするのです。絵の中では咲き誇る花の姿ですが、その姿はやがて茶色くなり枯れていき、最後はそこから居なくなっていくそういう描きとめた時から先のことが、さらに言えばその花が咲き誇る瞬間までの過去の時間すらも何となく感じることができます。あくまで画面上の草花の姿はその存在のほんの一場面に過ぎず、その場面をとっかかりに前後の奥行きを感じさせ、存在の全貌を感覚的に表出させる新倉さんの絵の真髄はそこにあるように思うのです。

「綺麗な植物」を描くのでは無く、ただそこに生えていた草花をそのまま描くこと。のびやかな草花の息遣いを筆に乗せ、確かな水墨画の技術で紙の上に再び命を吹き込んでいく。そうして出来上がる作品に、意味付けという伴奏は不必要なように感じます。純粋なまでにただ在る「だけ」の無伴奏な作品たち、そこに描かれたのは画家が見てきたただ在る「だけ」の草花です。そこに何を感じるかは、鑑賞者だけの自由な領域ではないでしょうか。
(文 飯田未来子)

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新倉章子個展
「無伴奏」
202119()129()
10:0020:00
火曜定休
作家来廊日:19(ほか、SNSで随時告知

116()頃より、Web Galley開設予定

【お問い合わせ】
Tel:070-3191-4572
Mail:gallery.kujiranohone@gmail.com
展示作品に関するお問い合わせは原則会期初日より受付させていただきます。
お電話やメールでのお問い合わせに関して、会場接客がどうしても優先になりますので
すぐにお応えできないこともございます。ご了承ください。

企画画廊くじらのほね Web Site
http://www.gallerykujiranohone.com

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