やわらかな風のように - くじら便りvol.1



その筆は、やわらかな風のように、草木を撫でて吹き抜けます。
花や露のあまい匂いが、新倉さんの絵のなかできらきら光っています。





「植物大好き人間なの」
と笑ってお話しをしてくださいました。


現代では失われつつある、高度な水墨画の筆遣いを、自由に、とても自由に。
ぼかし、滲ませ、色と色とが溶け合って、“かたち”がうまれます。






しかしほんとうは、彼らの“かたち”を写しているのではなくて、
匂いや、風が通り抜けたときのざわめきや、夕暮れに花弁が沈んでいく様子、じっと黙ってかんがえている姿が、そこには在ります。

そこはどんな場所で、どんな風に生きて、葉を落とし、また萌えて、そして今そこに立っているのか。
花樹は黙し、多くを語りません。

その佇まいの静けさを、描き出すことは、
一陣のやわらかな風にしか、できない仕事のようです。


企画画廊くじらのほね
店主B  洋平



*    *    *




新倉 章子  Akiko Niikura

略歴 

1961年 東京に生まれる

早稲田大学大学院 文学研究科(哲学)修士課程を修了 
松林桂月の流れをくむ墨彩画家 故原寿美に師事し書と水墨画を学ぶ
   
水墨画公募展受賞歴 
文部科学大臣賞、外務大臣賞、準大賞など

2007年~2014年 NHK学園新宿オープンスクールで水墨画の講師を務める
2012年~13年  美学校 超日本画ゼミを受講、グループ展に参加
2018年 6月 アートギャラリー 閑閑居にて初個展
2018年 8月 数寄和「ギャラリーへ行こう2018」入選
2018年10月 日本水墨画大賞展に野地耕一郎氏の推薦により出展 同展で準大賞受賞
2019年 1月 アートギャラリー閑々居常設展出品
2019年 1月 日貿出版社「付け立てを極める」新倉章子の墨表現が掲載
2019年 8月 数寄和「ギャラリーへ行こう2019」入選

※日本水墨画大賞展
審査講評
 松林桂月流の南画(文人画)の流れを継承しながら、宗達流の琳派画風や中国明時代末期の徐渭、八大山人らの水墨表現に学んだハイブリッドな水墨画である。しかし、ただ新規に走らず、古様に親しい風格がとても魅力的な作家であ
り、作品である。 野地耕一郎(泉屋博古館分館長)



コメント

このブログの人気の投稿

「少女」という形を纏った感情を - くじら便りvol.3

【お知らせ】くじら包みを贈ります。